積があっても元気な弁証論治


積があっても元気な弁証論治
病因病理:弁証論治H説




時系列の流れをみると、

高校時代から便秘気味になり、その便秘は、生理前の時期にきつくなるというタ イプの便秘です。

20歳ぐらいに生理痛がきつくなっていますが、これは生理そのものが、排卵を ともなう天癸の到ったものになってきたということでもあり、そのこと自体(排 卵を伴う月経)が、からだに少し無理をかけ、腎気の弱り、肝気の高ぶりをより 明瞭にしたために、むくみやきつい生理痛となったのでしょう。

これは、肝気の欝滞をしやすい体であり、そしてそれがむくみという腎気の 問題とからんだり、便秘という脾気の問題とからんだりすることがあるというか らだのありようを示していると思います。

接骨院の勤務から年に2、3回のぎっくり腰は腎気の弱りが明瞭に、そして、頭 痛肩こりは、肝気の欝滞が中心になって出現しているのではないかと思われます。 冷えやのぼせやすいとことも、この肝気の欝滞と腎気の弱りの問題の範疇ではな いかと考えられます。

ただ、若さゆえに、正常の範囲内と御本人が思うように、さほど日常生活にこま るほどのものではなかったと思われます。つまり、腎気に過度の負担がかからな いように考えていけば、現段階では、ご本人の体の傾きを示すものではあります が、さして問題のない範囲なのでしょう。






こういった御本人の愁訴もなく、さほど問題の大きなタイプではないと思われる のに、下脘の部分に動悸をともなった積があります。また、意外なほど大き な季肋部の湿痰があります。

食事をみると、油ものをとらない、敏感に下痢などするというように、さほど大 きく脾気を損傷するような状態ではないのに、あれほどの積や湿痰をのせてくる ということは、脾気の特異的な弱さをもっているのではないかと類推できます。 位置的に脾土の中心にある積ですので、この場の弱り(気虚)による気滞(積) の存在ではないかとおもわれます。そして脾土の弱りは、季肋部の大きな湿痰と もなる要因でしょう。

また、4月から水を飲むようにしていることも、この脾土の弱りに拍車を繋ける 要因になっているかもしれません。水を過度に飲むことで脾気そのものを落とし、 腎の陽気を弱らせ、脾土の位置の気滞を強くしたり(積がきつくなる)、脾募を 大きくすることになると思います。この水の摂取はやめて様子をみるべきでしょ う。






腎気と肝欝の問題は、日常の範囲ということで、ご本人の生活を過度に腎気をい ためないようにすれば、さほど問題はないと思われます。

ただ、この積は、問題が大きく、ご本人の家系的な問題とも并せ考えると、基本 的には積が出現しない様にしておく必要があると思います。

今の食生活自体が水以外にはさほど脾気を傷める要因にもなっていないのに、あ あいった積が脾土にあるというのは、しっかりとした経過観察やこの積を中心と した手入れが必要であると思われます。この積の動きを中心に、鍼灸治療などの 手入れで、積を取っておくのがよいと思われます。また、脾気が動きがたい原因 が、肝気の欝滞を持ちやすいことや腎気の底上げが足りないという原因で脾気が 動きがたくなっているのならば、肝気の調節や腎気を補うことも視野にいれいくべきでしょう。






弁証論治

脾虚

下脘部分の積を目標に、脾気の状態をよくしておく

益気補脾







主訴:問診

時系列の問診

四診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治N説

病因病理:弁証論治H説











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