治療指針:生活提言


閃輝暗点を伴う頭痛の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



28歳で閃輝暗点を伴う頭痛が起こる以前から頭痛は時々あり、中学の頃からも う一つの主訴である生理痛や過敏性胃腸炎があったことから、もともと肝鬱が 強いことが推察される。そしてこの肝鬱は、25歳で子宮筋腫、内膜症、腺筋症 の診断を受けていることから、オ血を生じるほどきついものであることが窺え る。

28歳で初めて閃輝暗点を伴う頭痛が起こり、以降、頭痛の前には必ず閃輝 暗点が起こるようになった。それでも数年間は、頭痛の頻度は年に数回だった のが、30歳頃から徐々に頻度が多くなっていった。その数ヶ月前には生 理痛がひどくなっていたり、32歳の頃には、仕事が忙しいと眠りが浅くなった り、生理前に左顎が痛むようになったりした。

これを見ると、28歳頃から少しずつ肝鬱がきつくなっていることが窺え、30歳 からは一層肝鬱が強くなっているように思われる。この時期の生活の変化と しては、28歳からよく食べるようになって体重が増え始め、30歳で結婚をし て、夫に合わせて全体的に食事量が増えたとのことだった。このように脾気へ の負担が増したことで、肝鬱の支えが弱くなり、肝気が立ちやすくなったと考 えられる。







32歳で子宮筋腫などの手術をして生理の量、痛みともに軽くなり、体のだるさ がほとんど無くなり、疲れも減った。しかし生理前の諸症状、耳鳴り、足のむ くみ方、飛蚊症、生理前の左顎の痛みには変化が無く、お通じは2~3日に1回 なのは変わらないが、出る便が軟便か下痢になった。

これは手術で筋腫などの物理的なオ血が取り除かれたので、その分、気機の疏 泄は良くなったが、もともと強い肝鬱自体が改善されたわけではないので、生 理前の諸症状など肝鬱の症状は依然として変わらなかったと考えられる。手術 後、引っ越して歩くことが減ったために、肝気を引き降ろす機会が減っ てしまった。そのため頭痛は返って多くなったと思われる。

お通じが軟便になったのは、下焦のオ血が取り払われて、圧迫されていた腎気 が立ち、それにより脾気が少し持ち直したのではないかと思われる。そのため 溜まった内湿をお通じとして出るようになったのではないかと考える。

33歳夏には黄連湯を服用して、胃痛は良くなったが、頭痛には変化が無く、 また徐々に生理に塊が混じり始めるなど、肝鬱は依然として強く、オ血を生じ やすい状態は続いている。

お体の状態を見ると、オ斑、舌裏の怒張、少腹急結などオ血の存在が窺え、風 邪の内陥があるのか、大椎の冷えや肺兪の発汗が見受けられる。そのため余計 に肝鬱になりやすくなっていると思われる。ただ、腎気や脾気は肝鬱により傷 められてはいるが、素体としてはしっかりしているのではないかと思われる。







最後にこの方の閃輝暗点を伴う頭痛について考えてみた。 頭痛が起こる前は、喉が渇き、水分を取るが排泄されず、むくみとなる。その うちに閃輝暗点が起こり、30分後、閃輝暗点が治まると頭痛がして、お小水や 下痢が起こる。

これは肝気の上衝がピークになると、心にも影響して閃輝暗点が起こり、閃輝 暗点が落ち着く頃には肝気の上衝が少し緩み、肝気に圧迫されていた腎気や脾 気が解放されて、しっかりと内湿を捌こうとするため、トイレが近くなったり 下痢したり、時には吐き気がしたりすると考える。




弁証論治



弁証:肝鬱

論治:疏肝理気







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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