閃輝暗点を伴う頭痛の弁証論治


閃輝暗点を伴う頭痛の弁証論治
治療指針:生活提言




治療指針



疏肝理気をすることで、肝鬱が強くなりすぎて心にまで影響するのを防ぎた い。

また肝鬱により、脾気、腎気への損傷がきついなら、適宜脾や腎を助ける。




生活提言



こちらに引っ越してきてから頭痛の頻度が多くなって、薬で対処はされていま すが、頭痛を予防することが出来ず、つらいことと思います。○○さんの頭痛 は”気が昇る”ことが激しくなると起こるタイプの頭痛だと考えられます。こ の”気が昇る”というのは、物事を一生懸命頑張ってやるときや、パソコンな ど目や頭を使いすぎる時に、気が上に集まりすぎることです。

普通ですと、上に気が集まりすぎても、体が下に気を引き降ろしてうまく”気 を巡らそう”とするのですが、○○さんの場合、その気を巡らす力よりも上に 気が昇る力の方が強く、どうしても気血が滞りがちになります。滞ってしまっ た気血は、川の流れが止まるとそこの水がよどむように、体の中でオ血という 要らない塊を生じやすくなってしまいます。このオ血が生じるとますます気血 の巡りが悪くなるという悪循環を生みます。

昔からある生理痛を考えると、○○さんはもともと少し気を巡らす力が弱いの ではないかと思われます。その素体があるところに、食事量が増えて、体重が 増えたために、より気血の巡りが悪くなったと考えられます。そのため仕事な どを頑張って気を昇らせてしまうとそれを引き降ろせず、閃輝暗点が起こり、 頭痛へと繋がっていくのだと考えます。

去年の子宮筋腫の手術でオ血となってしまった”物”は取り除かれましたが、 その後の引越しで歩かなくなるという生活の変化により、ますます体の中の気 を巡らせる機会が減ってしまいました。そのため頭痛の頻度は変わらず、また オ血を生じつつあるというのが現状だと考えます。

鍼灸治療で気血の巡りを良くし、頭痛の軽減を図りますが、素体としての気血 の巡りの弱さをカバーするには、やはり平素の生活の中での工夫が重要だと考 えます。







まずは体を動かす機会を積極的に作ることが一番だと思います。特に上に昇る 気を引き降ろすために、歩くことがいいかと思います。30分でも構いませんの で、どこか習慣になる時間を見つけて、少しずつでも始めてみてはいかがで しょうか?少しずつ始めてみながら、できれば毎日できるように、休みの日な どはもう少し長く歩くようになど、工夫しながら生活のリズムが作れるといい ですね。

また疲れすぎたり、食べ過ぎたりすると、気血の巡りの悪さを助長することに なります。しっかり動いたら、しっかり夜寝て休む、食べ過ぎないことがベス トですが、食べ過ぎたら多めに歩くなど、体に余計な疲労を溜めないことも大 事です。

閃輝暗点を伴う頭痛の最大の予防法はストレスを溜めないことだと言われてい ます。そのためには、運動、睡眠、食事という生活の基本スタイルをできるだ け乱さず過ごすことが大切になってくると思います。これまでもいろいろと気 をつけられていることと思いますが、そこに運動を加えて、より積極的に予防 を試みてみてはいかがでしょうか。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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