治療指針:生活提言


月経前の頭痛精神不安の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



幼少期には喘息があり、また小さい頃から運動して汗が出るまでむくむという症状があった。このむくみは、汗が出ると引いていく、排尿がちゃんとあるとむくみが少ないというようなことから、腠理の開闔及び宣発粛降の問題であると考える。幼少期からの喘息とむくみは、先天的な肺気の弱さと考えられるが、一時期治まっていた喘息が14歳から再発し、現在でも時より発作が起こっていることから、14歳から始めているタバコにより、もともと弱い肺器が充分に成長できなったと思われる。

成人してからの喘息は、睡眠不足など肉体的な過労により発作を起こしているので、腎気の落ち込みが肺気をさらに虚損させていることが窺える。

この14歳の頃には、月経が始まり、主訴である月経前の後頭部の頭痛、同時に生理痛もあった。月経前には肝気が強くなるので、気が上衝し、頭痛を起こしていると考える。また、20歳の頃からは精神的なストレスで胃痛を感じており、肝気が横逆していることが窺える。このように肝気を健やかに張れない裏には、土台としての腎の弱さがあると推察される。

この腎気の弱さは、結婚して、子供を妊娠した際に、大幅な体重の増加、尿蛋白の出現などとして顕著に現れることとなる。産後には、つわりのような吐き気が止まらず、頚椎を治療してもらって治まるが、これは出産により落ちだ腎気に引きづられて、気の上衝を止める華蓋としての肺気も損傷されていたためではないかと考える。また、疲れやすくなり、冷えのぼせを感じるようになっており、腎気がうまく回復できなかったことが窺える。







35歳の頃に、ストレスが大きくなり、寝付きが悪くなり、睡眠薬を服用するようになる。このとき、睡眠に影響を及ぼすほど腎の損傷が大きく進み、一段器を小さくしたと思われる。そのため、36歳頃から徐々に生理前の頭痛がひどくなり始め、生理前の気の上衝がきつくなり、市販の頭痛薬では効かなくなってくる。

37歳からパートに出始めて、ストレスをさらに強め、38歳の4月には雨が降ると頭痛がするようになる。またおりものも増えるが、検査では特に異常は見つかっていない。このように体内の水の捌きが悪く、お通じも下痢が多いことから、身体はがんばって余分な水分を出そうとしていることが窺える。

しかし、毎晩のビールの飲酒、生理周期に伴う食事量の増加など、脾気を損傷するような生活、またもともとの肺の宣発粛降、ソウ理の開闔の脆弱さから、なかなかうまく水湿が排出されず、後ろ支えである腎気を一段小さくしている今の状況では、雨という外湿と呼応して、生命力が落ち込み、頭痛の回数が増えることとなったと考える。




弁証論治



弁証:腎虚、肺気虚
論治:補腎、補益肺気







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療方針:生活提言











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