月経前の頭痛精神不安の弁証論治


月経前の頭痛精神不安の弁証論治
治療指針:生活提言




治療指針



まず、主訴である生理前の頭痛を考えると、根である腎が弱ったことにより、以前より気の上衝がきつくなり起こっているので、腎気を建てることを大きな治療方針とする。

また、気の上衝に対して上から蓋をする役目をしている肺気の素体としての弱さがあるので、同時に肺気を補いたい。

脾気に関しては、本人の不節制によるものも大きいので、本人の自覚を促して様子を見つつ、必要であれば、手を入れることとする。




生活提言



初経の頃から生理前には頭痛がしていますので、素体として気が上に昇りやすいことが窺えます。気が上に昇りやすいというのは、裏を返すと、身体の中心が弱くて、うまく気を引きおろせないということです。これはストレスを感じやすく、不眠がちであることなどとも通じてきます。今はストレスを多く感じるとのことですので、余計に気が昇りやすい状況にいると言えます。

頭痛が起こる原因である気の上衝を防ぐには、身体に精神的、肉体的に余裕を与えることが大切です。まず、早く寝れる時は早く寝て、質のよい睡眠が取れるようにし、睡眠薬を服用しなくても済む状態を目指します。ご自覚がある通り、疲れすぎても眠れないので、きついと思うほどの運動は避けたほうが良いでしょう。

また、気の上衝を上から抑える役割をする蓋も弱っていて、これは生まれもっての弱さもありますが、長年吸っていらっしゃるタバコの影響も大きいと考えます。禁煙に関しては、個人差はありますが、ストレスがかなり掛かることが予想されますので、ご本人の判断にお任せします。

最後に、飲食に関してですが、基本的に大食、間食はしないとのことなので、今後もこの調子でいかれるといいと思います。ただ、生理前には夜食を取ったり、食欲が出てきますので、寝る直前は止めるとか、少し工夫をしてみて下さい。また、ビールを含めて水分の取り過ぎは、身体の中に余分な水分を溜めてしまいますので、少し注意されたほうがいいでしょう。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療方針:生活提言











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