主訴:問診


病因病理



幼少期より小学生頃までの時期は特に大きな病気もなく真冬でも薄着で遊び回 る元気な子供でした。両親からもらった先天の精が充実していて器の充実も順調 に行われたと考えます。

思春期のころは大変食欲も旺盛で1日に5回食べる日もあり脾胃への負担が強 くなりはじめたものと思われるが、もともと脾胃が丈夫なこともあって同じペー スを続けることがでました。しかし脾胃に負担がかかっていたのは間違いなく 便 の切れが悪い、朝は起きられない、肩こり等の症状が出始めてきました。







22歳で最初の就職をしました。このころにはさすがに1日5食ということは なくなっていましたが相変わらずしっかり食べていました(間食も含め)。思春 期の頃から出ていた症状を引きずっていたらしく、口内炎ができやすく、昼休み はいつも寝ていた記憶があります。職場が遠く朝が早かったことや、仕事自体面 白くなかったことなどのストレスから肝にも影響が出始めたのがこのころではな いかと思っています。

1年半ほどで最初の職場をやめフリーターを経て今度は学習塾の講師になりま した。仕事は夜だったので午前中に水泳、テニスを始めダイエットを心がけるよ うになり前職まで引きずっていた症状はいったんほとんどなくなりました。世の 中もバブル景気で仕事も楽しく一番楽しく健康的な時期だったと思います。

結婚が決まり、大手企業に転職し初めて実家を出ました。結婚にまつわるいろい ろなことがストレスになったうえ、新しい職場では前向きな自分を装っていたよ うに思います。今考えるとものすごいストレスがかかっていたものと思われます。 肝への影響が最も強くなった時期だと思います。

この時期は鼻閉のため朝方起きてしまう、鼻血がよく出るという症状がありまし た。これらの症状は環境の大きな変化により気逆がおこり、上焦の気欝が起こっ たためだと思われます。







専門学校入学のため退社し、妻の両親と同居しました。ストレスが減ったせい かこのころから鼻閉・鼻血はなくなりました。しばらくして同居の家族と多少の トラブルはありましたが会社勤めをしていた頃の症状を再発するほどのストレ スではなかったと考えます。またこのころは学校以外の時間は子育てに専念でき たのも心身のためにはとてもよかったのだと思います。

専門学校を卒業しまた仕事をし出すと家族のトラブルと仕事が思うように行か ないこととが一緒になってまたストレスを感じるようになって来ました。それで も何とかだましだまし暮らしていたのがこの数年間だと思います。第3子が誕生 したのも精神的な救いになったと思います。健康状態にも特に不安はなく不摂生 をして体重をさらに増やしたのもこのころです。夜間子供が寝てからお菓子を食 べるという生活を続けていました。







仕事をもっと充実させたいと思っても妻は子供の面倒を見て欲しいらしくあま り長く働くなという、なんとも中途半端な状態がしばらく続いていました。こん なジレンマから来るストレスからまた肝火上炎の状態になり突発性難聴を起こし たと思われます。突発性難聴の後は仕事をコントロールするなどして何とかやり 過ごしていました。

翌年はケアマネージャー受験という目標があり充実していた1年でした。その ため比較的調子がよかったと思います。一つの目標に集中できたためストレスを 感じなかったことと、家族も協力してくれたため肝気もしっかりして頑張りが効 いたのだと思います。

ケアマネージャー取得後から新しい職場もできまた環境に変化が訪れます。ケ アマネージャーの仕事は気苦労ばかり多く実入りが少ないとわかったため大きな ストレスをためる前に実務からは手を引きました。しばらく仕事は中途半端な状 態となりまたストレスがたまってきました。夜間の間食も調子がよいときは食べ て悪くなると反省してやめるという状態でした。このことが脾胃への負担をあた え、ストレスから来る肝鬱も同時に脾胃を損傷したものと思われます。この状態 が一時的に強く出たのが腹部の刺痛という形で出たのではないかと思います。







転職、結婚などの大きな環境の変化にともなう肝への影響は波はあったものの 20年近く引きずって来ていると思われます。もともと強かった脾胃も長年の負 担と肝からの影響を受け症状を表してきて、加齢による腎気の不足も加わってき たのではと考えます。これらの影響からなんとなくやる気の出ないだるい状態に なっていたのでしょう。

今回の症状の大本になっているのは長く引きずって来た肝鬱ではないかと考えま す。五臓の弁別では“わりと暇なときに身体のだるさを感じる” という肝鬱を否定するような内容がありましたが、私は目標のない中途半端な状 態に対して強くストレスを感じ肝鬱の症状がでてくる様ですのでこの問診内容は あまり重きを置かないでもよいと考えました。

ストレスを減らし肝気をうまく発散させることが最重要と考えます。 食事の節制をすることにより脾胃をいたわり肝木の土台をしっか りさせる。ダイエットという目標のためプールへ通う行為と実際 に体重が減るという達成感が肝気を発散させる助けになると考え ます。また加齢に対して腎気を養うよう日頃から 心がけていくことも必要かと 思います。









弁証論治



弁証:肝気鬱結

論治:疏肝理気







主訴:問診

時系列の問診

四診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治











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