現在の状況は肝鬱がきつく脾胃を犯している状況であるので、まずはしっかりと脾を 補っていく。
状況をみて、腎を補い全体的な底上げを目指したい。
強い肝鬱を払っていく必要もあると思われるが、その際患者さんの生命力をこれ以上 弱めないように注意が必要である。
患者さんは昨年の春くらいから、回復に向けて食事療法や漢方薬など養生を始められ ました。
また転職をされ、新しい職場は人間関係も良好、仕事も楽しいということから、スト レスも軽減されたのだと思います。昨年7月には病院での検査で潰瘍性大腸炎の症状 もかなり改善されているとのことでした。患者さんの努力によって養生がうまくいっ ていたことの現れだと思います。この春からの養生を続けていけば、体調は速やかに 回復に向うということです。
ところが秋から、食事が乱れ食べ過ぎてしまうことが多くありました。さらに残業が 増えたり、休日はほとんどゆっくり休むことがありませんでした。12月には下血が あり症状が悪化してしまいます。このことからも、日々の養生で気をつけることは明 らかになってきます。
問診でお話を伺っていて、患者さんが仕事以外にも社会的活動を活発に行うがんばり 屋さんであることが伝わってきました。患者さんの意欲的で、より良く生きていこう という意志の強さはとてもすばらしいものです。しかし頑張り続けることには自ずと 限界があります。頑張ることと同じくらい、身体を休めて力をつけていくことも大切 なことです。思い切ってゆっくりと休養をとるように心がけてみましょう。身体に力 がついてくることが、ストレスの影響を受けにくくすることにもつながります。
現在も睡眠時間を早めたり、仕事の休みを増やすよう心がけていらっしゃいます。よ いことだと思います。
食事は食べ過ぎに気を付け、ゆっくり良く噛んで食べましょう。
しかし食事の節制を長く続けるのははなかなか難しいものがあります。養生を続ける 事自体がストレスとなることもありますから、失敗をしたとしてもあまり気にせず気 長に養生を続けていきましょう。
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