やる気が出ないの弁証論治


その後の経過



記:ビッグママ治療室 米山(はつき)




この症例の方は、勉強会の始まる前に、勉強会のメンバーでもある、ビッグママ治療室の米山のところで 初診を受け、指導を受けています。

時間の流れでいうと

 4月15日 ビッグママ治療室にて、初診、治療、指導を受ける

 5月中ごろ 第一回目の勉強会 切診の勉強で三陰交の状態を知る。

 6月中ごろ 第二回目の勉強会

        このあと、ビッグママ治療室にて治療を受ける。

        (現時点(8月中ごろ)まで、3回。

この中で、初めのころのご本人の身体に対する見方、鍼灸に対する感じ方。

2回目の勉強会が終わり、ご自身の身体に対する考えを充分にめぐらせてからの 見方考え方の変化は非常に興味深いので、ここに記しておきます。







勉強会の始まる前、初診で私のところにいらしたこの方に対して、腎気をたて、肝欝を晴らしていくことが 大事であり、一番分かりやすい生理に変化が出るだろうということで、漢方薬の服用と、ご自宅で出来る 鍼灸を指導いたしました。

ご本人は、第一回目の勉強会で、

生理痛は軽かった、生理前の症状(PMS)もさほど強くなかった。生理が早く来た。

でも、それは『三陰交のお灸と八味地黄丸は、別に効いたかどうかなんてわかんない~ですう。 たまたま、あったかったからだと思います』などと仰り、治療家である私を驚かせてくれました(^^;)。

つまり、ご本人にとって、鍼灸で身体がよくなるとは、ほとんど考えていらっしゃらない のですよね。これはご本人の意識の刷込みなので、どうしようもありません。

まあ、しょうがないわねと見守ることにしました。

その後、2回目の勉強会で、実際に解説や考え方を提示しながらの問診や切診の資料を作り上げ、 mlにて、ご自身の弁証論治に入ります。

時系列にそって、ご自身におこったことを詳細に読み込み、考えていくうちに、いまご自身の身体はどうなっているのか、そしてそれに対して、どのようにアプローチしたらいいのかということをじっくりと考えていくことになりました。

そのなかで、4月からご自身の身体に起こった変化と、鍼灸による影響をだんだん理解していただけるように なってきたのではないかと思います。

ご本人の文章です。







ビックママでは、
肝気を払って、腎気を養うということを基本に、
治療していただいていると思います。
肝欝が激しく、気滞、気逆の症状も出ているけれど、
直接肝欝にアプローチするのではなく、腎気を立てることで、
肝欝を和らげていけないだろうか、ということだと理解しております。

で、初診(4月15日)から三陰交のお灸、
4月26日から八味丸の服用を始めました。

今回の弁証論治に取り組んで、
今の○○○の身体に必要なのは、補益腎気、疎肝解鬱であろうということが明確になっ てきました。

四月以降の身体の大きな変化としては、
生理の周期が安定してきたことが一番の特徴です。
これは、生理痛が軽いとか重いとかいう主観的なことではなくて、
数字で表れている事実です。
あと、基礎体温を計り始めてまだ2クールですが、
以前つけていた一昨年前に比べると、しっかりした2相になっています。
これも客観的に目で確認することができます。

私は基本的に、経済的に自立できていないと、大変ストレスを感じます。学生時代は それができなかったので苦痛でしたが、卒業し、ある程度の収入を得ることができるようになったのも 精神的な安定に一役買っています。また、肉体的にも拘束時間が減り、かなり楽でも あります。この余裕が肝欝の緩和のもつながり、また、この時期と並行して、八味丸と鍼灸の 治療を始めたことが、無関係ではないだろうなと、実感し始めている次第です。

以前はつき先生のMLに
>腎気を起てるということだけでも
>いいのかもしれません。でも、気欝がきついひとだから、
>まにあわんなあ。

と、ありました。

本日(8月16日)、四診目だったのですが、
私の心身が、ようやく素直に鍼灸を受け入れて始めていることを実感し始めまし た。

今後は、
梅核気が器質化に向かっているかもしれない問題、
このままの状態で、脾胃がやられると一気に鬱傾向に走る可能性がある問題、
私が、まだ妊娠を諦めていない問題、
などを鑑みながら、
肝欝、腎虚、下焦の内生の邪を、
どいう手順で、解消していくことが良いのか、
身体を通して、学ばせていただければな、と思っております。

はつき先生よろしくお願い致します。(・_・)







こちらこそよろしくお願いします(*^^)。
この方の、4月から今に致る変化が、とても嬉しいです。

自分自身を知るということがいかに大切か。彼女の人生において、この 自分自身を知ることがきっと大事な宝になるのではないかと思います。 きちんと自分自身を知ることが出来ないと、鍼灸や治療を受けても、 たまたまだ~とかと判断してしまい、治療の方向性が見出せず、場当たり的な 対応を繰り返すことになってしまいます。方針を持つことがいかに大事かと いうことをお分かりいただけたと私は思っています。

そしてそのお手伝いを勉強会が出来たことがとっても素敵です。

今後もがんばっていきましょう。








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論治

その後の経過











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