使用されている概念による
もうひとつの分類 |
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《難経》を読んでいくことを困難にしている原因の一つに、五行理論を自在に活用した論理展開が《難経》ではなされている、ということがあります。 三難までの読みあわせを終了し、四難に入ろうとしていた頃、予習の場面で私はそのことに気がつき、このままでは今まで行われてきた勉強会のような読み方しか出来ず、《難経》嫌いを作ってしまうのではないか、という不安に襲われることとなりました。 そこで、簡より繁へ読み方を広く深くしていくという方法を《難経》でも使えるのではないかと考え、それぞれの難のそれぞれの項目に関して、そこで使われている基礎概念を分類し簡化した内容を付したものを作製しました。 それがこれになります。 いくつかの難では、内容として明瞭に区分されいるものがあります。また、使用されている基礎概念についても異なっている場合もあるため、それらは重複する形で記載されています。 もう一つの《難経》俯瞰図として、また、勉強していく際に、簡から繁へと段階をおって理解をすすめていこうとされる場合に使用されるとよろしいかと思います。 |
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■提綱 | |
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第一難 | ひとり寸口にとる |
第八難 | 十二経脉と生気の原の関係:寸口の脉平にして死すもの。 |
第十一難 | 脉五十動にして一止するとき、腎気が先に尽きている。 |
第二一難 | 形と脉と呼吸。 |
第二五難 | 心主と三焦の陰陽関係。 |
第三七難 | 五臓六腑の気は互いに循環し、内に臓腑を温め外に腠理を養う。 |
第四七難 | 顔面が寒さに強い理由。 |
第六六難 | 三焦の行くところが原穴・五臓六腑に病があれば、その治療には原穴を用いる。 |
第七七難 | 病が伝わる前に伝わりそうな臓を予測してあらかじめ充実させておくものが上工であり、病んでいる臓をいじることしかできないものが中工である。 |
第七八難 | 鍼法の補瀉。押し手と刺し手の妙。 |
第八十難 | 気の去来をよく見て鍼を用いよ。 |
第八一難 | 病の虚実を明確に把えられずに虚を虚せしめ実を実せしめるという誤治を行うのは中工の害である。 |
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■陰陽 | |
第二難 | 寸尺の陰陽。関は関所という意味。 |
第三難 | 陰陽の脉状の消長:太過不及→覆溢 |
第四難 | 陰(肝腎)陽(心肺)中(脾) |
第六難 | 陰盛陽虚・陽盛陰虚;浮沈による区別。 |
第九難 | 臓は陰脉の遅脉:腑は陽脉の数脉を呈す |
第十二難 | 五臓の内(肝腎)外(心肺)の別:これに基づいて実々虚々への戒。 |
第十四難 | 尺は根、寸は枝葉として、尺位の脉があれば生く |
第十七難 | 病人の状態の陰陽と脉状の陰陽とが対応しないものは死に、対応しているものは生く。 |
第十八難 | 積聚(内傷:結伏)痼疾(外証:浮結)と脉状とが対応していれば生き対応していなければ死ぬ。 |
第十九難 | 男(寸位が優勢)女(尺位が優勢)の脉の違い:男が女の脉を打つ時は不足、内側が病む:女が男の脉を打つ時は太過、四肢が病む。:異常の出ている脉と同側が病んでいる。 |
第二十難 | 伏匿の脉とその症状。 |
第二二難 | 是動病(気)所生病(血)。 |
第二四難 | 三陰の気絶:六陽の気絶。 |
第三十難 | 営衛たがいに従う。 |
第三七難 | 関格の病。 |
第四六難 | 老人と若者、老人は夜横になっても眠れない。 |
第六七難 | 陰病は陽に行き陽病は陰に行く。兪穴は陽に募穴は陰にある理。 |
第六九難 | 補虚瀉実。虚せず実せずんばその経をとる。 |
第七十難 | 春夏秋冬、一陰一陽の鍼。 |
第七一難 | 営衛の鍼。 |
第七二難 | 迎隨の補瀉・調気の方法は陰陽にある。 |
第七六難 | 補瀉とは、営衛を通行させるための陰陽の補瀉である。 |
第七八難 | 男は外と女は内と、ともにする。それでも気が来なければ死す。 |
第七九難 | 迎隨の補瀉を、該当する経脉に対する五兪穴の子母関係における補母瀉子で説く。 |
第七九難 | 気が来ること実牢は実で得る(邪実<鉄鑑:補に成功<伴)、虚濡は虚で失(正気の虚<鉄鑑:瀉に成功<伴)。 |
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■五行 | |
第五難 | 菽法:指を置く重さを五種に分けて何を見るかを語る。 |
第十難 | 五邪の剛柔あい逢う時の脉状。 |
第十三難 | 脉状と尺膚・顔色(五声・五味・五臭)の相い応ずべきこと。 |
第十四難 | 損至の脉状とその治療法。 |
第十五難 | 四季の脉状。脾は中州・胃は水穀の海、死生の要会である。七死脉は脾気の衰えによっておこる。 |
第十六難 | 五臓の脉状とその外証。 |
第十八難 | 五行の相生関係による水火木金土の関係。 |
第三三難 | 肝木肺金、肝は沈み肺は浮き、木は浮き金は沈むの理。 |
第四十難 | 肺は声、腎は液。肺の外候である鼻で香りを知り腎の外候である耳で声を聞く理由。 |
第四一難 | 肝に両葉ある理由。 |
第六四難 | 五兪の剛柔。 |
第七三難 | 井穴を使うに、栄穴をもってする。 |
第七四難 | 五臓と四季と使用五兪穴。 |
第七五難 | 五臓の平を保つための補瀉技法を、方位(東西南北)と相生相剋を用いて説く。 |
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■六気 | |
第七難 | 太陽・少陽・陽明・太陰・少陰・厥陰の王脉とその時期。 |
第二四難 | 手足の三陰三陽の経脉の気の絶候と吉凶。 |
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■錯雑 | |
第四難 | 六脉。 |
第十八難 | 三部九候診。 |
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■臓腑・経絡・経穴 | |
第二三難 | 経脉の度数。十二経十五絡の終始。 |
第二六難 | 陰蹻陽蹻脾の大絡。 |
第二七難 | 奇経八脉提綱。 |
第二八難 | 奇経八脉流注。 |
第二九難 | 奇経八脉病証。 |
第三一難 | 三焦。 |
第三二難 | 気血営衛・心肺・膈上。 |
第三五難 | 五腑は下焦が治める。 |
第三六難 | 左腎、右命門。 |
第三七難 | 五臓の気は九竅に出づ。 |
第三八難 | 五臓六腑、外の腑・原気の別・名ありて形のない三焦。 |
第三九難 | 五腑六臓、左腎右命門。三焦は五臓に属さない。 |
第四二難 | 人の腸胃の度量。 |
第四三難 | 人が飲食せずに七日経つと死ぬ理由。 |
第四四難 | 七衝門。 |
第四五難 | 八会穴:内なる熱病にとる。 |
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■診察・病理 | |
第四八難 | 脉・病症・四診における虚実。 |
第四九難 | 正経がみずから病む場合と、五邪に犯される場合。 |
第五十難 | 五邪の区別。 |
第五一難 | 病における寒熱によって臓腑の病を分ける。 |
第五二難 | 臓病は留まり腑病は移る。 |
第五三難 | 相剋関係に伝わる七伝のものは死に、相生関係に伝わる間臓のものは生く。 |
第五四難 | 臓病は七伝し、腑病は間臓する。 |
第五五難 | 積(臓病)聚(腑病)。 |
第五六難 | 五積。 |
第五七難 | 五泄。 |
第五八難 | 傷寒の病。種類・病症・汗下の治法の差・寒熱を区別する方法。 |
第五九難 | 狂癲の区別。 |
第六十難 | 頭痛の弁別と予後。 |
第六一難 | 望聞問切。 |
第六二難 | 三焦は陽をめぐる。ゆえに原穴は陽にある。 |
第六三難 | 五兪穴が井穴から始まる理由。 |
第六五難 | 出るところが井であり入るところが合である。 |
第六六難 | 原穴の種類。 |
第六八難 | 五臓六腑、井栄兪経合が主る病。 |
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2000年 10月29日 日曜 BY 六妖會
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